一般財団法人家庭医療学研究所
家庭医療学研究所について 家庭医療学研究所〜理事長メッセージ〜

21世紀ヘルスケアへの提言 家庭医療学研究所 理事長 津田 司

 わが国は世界で最も高齢化が進んだ国であり、人生90年時代はすぐそこにきています。100歳以上の高齢者は2016年時点で既に6万5692人に達しています。
 そこで、厚生労働省は団塊世代が75歳の後期高齢者になる2025年を目途に、各市町村が地域包括ケアシステムを構築するよう義務付けています。この中には、高齢者の住まい、医療、介護、生活支援・介護予防が含まれます。

高齢者医療

 高齢者の医療で問題になるのは、多種類の疾患を持つ高齢者の増加(多疾患罹患)、6種類以上の薬を服用している(多剤服用)高齢者の増加、認知症患者の増加(2012年で462万人-高齢者7人に1人の割合)です。また、増え続ける高齢者を病院や施設に収容するには限界があり在宅医療・在宅ホスピスのサービスが必要です。
 このような問題に対処するには、高齢者のすべての健康問題に対処できる家庭医が最適任者であり、複数の家庭医が多職種とチームを組むと質が高く、患者及び家族の人生に寄り添う24時間365日の在宅医療・在宅ホスピスを提供することができます。

介護・介護予防

 高齢者のもう一つの問題は、高齢化とともに身体的にも認知機能的にもフレイル(虚弱)になることです。すると、多くのフレイルな高齢者に介護サービスを提供する必要が生じます。これまでわが国で提供されてきた介護は、世話をし過ぎて患者さんを受け身にさせ、より一層介護度を悪化させ認知機能を低下させてきた可能性があると言えましょう。
 要介護5、4の患者さんに対しては世話をする介護が必要だと思われますが、要支援や要介護1〜3の患者さんに対してはもっと運動器リハビリや認知機能訓練を積極的に行って介護予防に努める必要があるのではないでしょうか。
 家庭医は、OT、PTや、その他の多職種と連携して介護予防を積極的に行いたいと考えています。

急がれる家庭医養成システムの構築

 多疾患罹患や多剤服用の問題に対処できる家庭医が多数いて、複数の家庭医と多職種がチームを組んで24時間365日の在宅医療・在宅ホスピスを提供し、また、多職種恊働で介護予防に積極的に関われば、質が高い地域包括ケアシステムを構築することができます。

     

 本財団はこのようなことができる家庭医を多数養成することを目指しています。