一般財団法人家庭医療学研究所
家庭医療センターの有効性 家庭医療学研究所〜家庭医療センターがもたらす効果 その1〜

菊川市家庭医療センターによってもたらされた効果

 家庭医療学研究所の理念に基づいて創られた家庭医療センターがもたらした医療面および医療経済面における効果は以下の通りです。

1)患者中心の医療による効果

【図】年齢別初診患者数(H27年度)

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●家庭医は、患者の健康問題を身体面のみならず、心理面、社会面(家族、職場など)、および文化面(生活、習慣、考え方)から包括的に捉えるので、疾患の身体的治療のみならず、多面的な支援を提供することができます。その結果、患者の満足度が高くなりました

●人間全体として捉えるので、たとえ身体症状を主訴として来院しても、うつ病など精神疾患を的確に診断し治療できます。その結果、患者はいろいろの医療機関を彷徨はなくてよいようになりました

●患者の納得のいく診断・治療法を患者と話し合って決めるので、患者の満足度が高くなり、かつ、患者の自立性を促すことがでるようになりました

2)患者のすべての健康問題に対応することによる効果

●菊川市家庭医療センターを訪れた初診患者は各年代に万遍なく分布しています(上図)。小児期、思春期、成人期、老年期のすべての人たちが、何か病気にかかったと思ったら、まずは家庭医療クリニックに相談する仕組みが生まれました

●3世代の家族がそれぞれ種々の健康問題を持って気楽に受診されることが多くなっています。家庭医は、文字通り家族ぐるみのかかりつけ医の役割を果たしています

●日常のありふれた病気に対応し、稀な病気や重症の病気の場合は的確に適切な専門医に紹介します。また、介護の必要な場合はセンター内にある地域包括支援センターを紹介します。したがって、患者は安心して掛かることができます

●患者は困ったらどんな健康問題でも相談できるので、特に多くの疾患に罹患(多疾患罹患)しているために、数カ所に通院していた高齢者が家庭医にすべての病気を診て欲しいと来院することが多くなっています

●多疾患罹患の高齢者を家庭医療センターのみで診察することになると、多剤服用(ポリファーマシー)の患者の薬を整理して減量することができます。その結果、薬物の相互作用による有害事象を減らすことができるようになりました

〈例〉3箇所に通院中していた84歳女性 : 家庭医が、11種類の薬剤を6種類まで減らすことができました

3)ヘルスメインテナンス(健康に関するカウンセリング)、予防活動による効果

●ヘルスメインテナンスでは、喫煙、アルコール、健診歴、がん検診歴、予防接種歴などについて尋ね、予防の大切さを伝えます。その結果、多数の人が予防を心がけるようになりました

●平成27年度1年間に予防接種を受けた人は図に示すとおりでした。年々増加しており疾病予防に貢献しています

●特定健診では全身の身体診察をしますので、内頸動脈狭窄症、腹部大動脈瘤、甲状腺腫瘍、卵巣のう腫など多数の病気を発見することができました

【図】健診・予防接種の実績

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【図】腹部大動脈瘤

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